ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

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『百年の孤独』

読んだ。
ぐったりした。
百年分だもの、そりゃくたびれるよ。

舞台は中南米。
この物語は中南米でしかあり得ない。
空気、土壌。
地球上で、ここだけ。

その湿気を含んだ大地に、ホセ・アルカディオ・ブエンディアと妻のウルスラが「マコンド」という名の村を切り拓いた。
やがては町として栄え、百年の後に再び土と植物の中に没していく。
マコンドの百年はブエンディア家の百年なのだ。
確かに孤独……。

系譜の中心になるのは女性だ。
ドンと構えるウルスラ。
生涯生娘で、意地の悪いアマランタ。
そのアマランタにライバル視されて意地になってしまうレベーカ。
ひたすら家に奉仕して、去っていくサンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエタ。

ウルスラが構えた屋敷は立派だが、植物と赤アリに浸食されている。
草をむしり、赤アリを退治しなければならない。

マコンドには、時折ジプシーの一団がやって来る。
その一人、魔法使いのようなメルキアデスは、外部から村に深く影響を及ぼす存在だ。
死んでもブエンディア家と共に在る。

この家系の男性名はどれも似ている。
「誰と誰の子供なんだっけ?」と巻頭の家系図を何度も見たり、読み返したりする。
けれど、割とどうでも良かったりする。
ブエンディアの名前と、それに関わった人々の物語なのだと、ザックリ考えていれば良いような気がする。

森を切り拓いて作られたマコンドは、ブエンディア家の最後の一人と共に森に還る。
植物と赤アリに食われてしまったから。


面白いわけでも、楽しいわけでもない百年を見つめる。
感じるのは「吸引力」だ。
「読ませる力の凄さ」を感じずにはいられなかった。
ガルシア=マルケスは魔術師的語り部だ。

なんとなく、『千夜一夜物語』のシェヘラザード姫を連想した。
明日の話しが気になって、気になって、仕方なくなる。


全てが森に還ったあと、ウルスラに「お疲れ様」と言いたくなった。
“砂糖ぬきのコーヒー”を淹れてあげたくなった。
いや、それとも、砂糖がたっぷり入った甘い方がいいかしら。





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