ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

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『恐怖の愉しみ』(上)

不気味な話から、怖いと言っては可哀想な気がする話、と様々。

編集と訳は「日本の怪奇小説界にこの人あり」という平井呈一氏。
あの荒俣宏氏に一番初めに人生の指針を授けてしまった人物である。
(そのアリャマタコリャマタ先生は最早ご自身が「優しく妖気を放つナニカ」になっていると思う)

その平井先生が選びに選んだ「愉しみ」。
思わずフフフ……とブラックジャックのような笑みが漏れてしまうではないか。


「ミセス・ヴィールの幽霊」 ダニエル・デフォー
「消えちゃった」 A・E・コッパード
「希望荘」 メイ・シンクレア
「防人」 H・R・ウエイクフィールド
「チャールズ・リンクワースの懺悔」 E・F・ベンスン
「ブライトン街道で」 リチャード・ミドルトン
「見えない眼」 エルクマン=シャトリアン
「象牙の骨牌(かるた)」 A・M・バレイジ
「クロウル奥方の幽霊」 レ・ファニュ
「ラント夫人」 ヒュー・ウォルポール
「慎重な夫婦」 ソープ・マックラスキー
「手招く美女」 オリヴァー・オニオンズ


雰囲気から味わわなくては愉しくないので、特に好きな作品だけ挙げておくことにする。

「象牙の骨牌(かるた)」「クロウル奥方の幽霊」「慎重な夫婦」「手招く美女」

全て違った怖さ、面白さがある。

ちょっとした冒険譚「象牙の骨牌(かるた)」は子供が主役。
こういう所に「呼ばれる」っていうのは子供の特権かもしれない。

ヴィクトリアンな雰囲気たっぷりの「クロウル奥方の幽霊」はストレートな怖さ。
恐怖のなかにも優雅さを纏うのが、やっぱりレ・ファニュなのよね。

「慎重な夫婦」は今までになかった切り口で面白い。

「手招く美女」が一番長く、中篇ならではのじわじわくる感じがいい。
その先を想像させる怖さもある。


……気配がする……。
見えないけれど、なんだか分からないけれど、「絶対に居る気配」がする。
人間が一番怖いと感じる部分を刺激してくれるのは本という媒体ならではだ。






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