ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

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『ミステリーストーン』

鉱石標本のボタニカルアート。
この装丁画に一目ぼれして購入した。所謂ジャケ買い。

「当たり」だった。
まるで気に入った石を見つけたような気分。

石に魅了された「石ぐるい」の人々の話をはじめ、古今東西の「石」にまつわる様々が一冊にギュッと詰まっている。
宮沢賢治の作品にも、石がよく登場する。
自他共に認める「石ぐるい」のひとりだ。

石化したり、生まれたり、生と死の間に「石」がある、介在している、という考えは世界に広くあるようだ。

旧約聖書では、ソドムとゴモラの街を振り返ったロトの妻は塩の柱、つまり岩塩になった。
ギリシャ神話では、メデューサを直接見たものは石になるとしてペルセウスに退治された。

伝承以外にもイギリスのストーンヘンジ、イースター島のモアイ像、日本の巨石信仰、と枚挙に暇がない。
また、静岡の大興寺には、石から石が生まれる「子生まれ石」なる不思議な岩も祀られている。

それらはちょっと壮大で、その不思議さには近づきがたいけれど、石には悪いものを吸い取る「薬」の様な効力もあるらしい。
「石ぐるい」ならぬ「本ぐるい」の私が、たまたま読んでいた本からは、こんな文章が「発掘」された。


ルビー・ギリスはクリークのメアリー・ジョーのお婆さんがくれた魔法の小石で、ほんとうにいぼが全部とれてしまった。その小石でいぼをこすってから新月のころに、その石を左肩からうしろへ投げるのである。するといぼはみんな、とれてしまうのである。

 L.M.モンンゴメリ(訳/村岡花子) 『赤毛のアン』より



これが想像力豊かな、コーデリア・フィッツジェラルドことアン・シャーリーの作り話ではない、という事も付け加えておこう。
真面目なダイアナ・バリーが腹心の友に話して聞かせた「学校であったこと」のひとつなのだ。

日本でも「吸石」というそっくりな石の話が残っている。
やり方から何から、驚くほどそっくりだ。

そこまで実践的ではないにしろ、天然石を気軽に身に着ける現代の日本人。

「石ぐるい」とまではいかないが、私も「石好き」の一人だ。
子どもの頃に母が買ってくれた「鉱物標本」はずっと私の宝物。
今でもそっと覗いてはわくわくする。どきどきする。

その「わくわく」や「どきどき」が、どうして湧き上がってくるのかは分からないけれど、その気持ちを大切にしたいと思う。


勿論、カットされた宝石も好き。
だって「ダイアモンドは女の親友」とも言うでしょう?
でも、それはまた、別の話。




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