ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

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『レーン最後の事件』

最後の事件は、ただただ寂しく悲しかった。
冒頭の「著者覚書」から引用すれば 「嘆かわしいほど残酷なこと」 だ。


最後の事件は、極めて不思議な人物の来訪から始まる。

サム元警視の探偵事務所に現れた七色の髭の男。
その男が破格の値段で保管を依頼した謎のマニラ封筒。
逃げ去った青い帽子の男。
人数の合わないバス旅行の団体客。
行方不明になった警備員。
シェイクスピアの稀覯本。
謎の記号列。
そして、殺人。


ミステリの材料を「これでもか!」と詰め込んで、連作は終幕に向かって容赦なく展開する。
ページを捲る手が震える様だった。

「犯人のなんと愚劣なことか」

レーン氏の言葉が突き刺さると同時に、あの有名な台詞を思い出さずにはいられなかった。


To be or not to be, that is the question.
               「ハムレット」 第三幕一場より






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