ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

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『武士語でござる』

幼い私が一番初めに抱いた「将来の夢」。
それは「チャンバラのお姫様になる」事。

それくらいだから、時代劇で使う言葉には精通していると思っていた。
解説など無用だと思っていた。

が。

これはしたり!

面白くて止まらんでござる。


「シチュエーションごとに使われる武士語」として、いきなり「仇討ち」が始まるのでござるよ。
しかも、 「ややっ!」 と仇を発見するところから始まって、 「本懐を遂げる」 で終わる。
その間にも 「助太刀」 が入ったりとか、もう時代劇ファンにはたまらん展開なのでござるよ。


それに、時代劇大好きな私が誤解してた武士語がひとつあった!
「よきにはからえ」 である。
なんか、「任せるから、ちゃんとやっといてね」くらいのニュアンスでとらえていたけれど、実のところ 「失敗したときの責任は、お前がとれよ」 という恐ろしい意味が含まれていたらしい。
ひぃぃ~…!こ、これは言われたくないっっ。


でも、そういう笑える部分だけでなく、「武士語とはなんぞや?」というところも解説されている。
なんでも、参勤交代で江戸と国許を行ったり来たりする様になって、他の地方(藩)の人々とも円滑にコミュニケーションをとる必要があったからなんだとか。
「ござる言葉」が確立した時期は、だいたい寛永、元禄あたりらしい。
(でも、その頃ってもう江戸中期だよね。初期は大変だったろうなぁ)
家康の元々のお膝元、三河の言葉も多く取り入れられているんだとか。

他にも、スネちゃまのママが使う「~~ザマス」なんかの「ザァマス言葉」は吉原の「ありんす言葉」が語源らしい。
請け出された遊女や、そこで遊んでた金持ち連中が家庭に持ち込んだという説があるんだとか。

最後に、この本の極め付きをご紹介しようと思う。

♪泣かしたこともござるよ 
♪冷たくすれども
♪寄りて添う心根があれば良いのでござる


言うまでもなく、サザンオールスターズの「愛しのエリー」の武士語訳である。
また違った味わいがあるものでござるよなぁ。



【要らざる事】

要らざる事は承知の上で、サザンオールスターズ「勝手にシンドバッド」のサビを勝手に武士語にしてみる。

♪今、何時(なんどき)なるや
♪そうさなぁ、曖昧にござるが
♪今、何時(なんどき)なるや
♪暫し待たれよ
♪今何時(なんどき)なるや
♪まだ早うござる

…こんな具合でござろうか?
失礼仕った!



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