ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

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『うろんな客』

ふと見れば 壷の上にぞ何か立つ 珍奇な姿に一家仰天



ハロウィンのお客様はいかがでしたか?
お行儀良くお菓子を持って帰った子。
なかには滅茶苦茶にいたずらしていった子もいたかもしれません。
幸い、私の所には照れ屋さんの魔法使いが来ただけで済みましたけれど……。

ゴーリーの描くこの生き物の「うろん」さがたまらなく好き。
どのページも可愛くて可愛くてたまりません。
しかもオチがまた良い!
そっぽ向いてるところがまた、じわじわ笑いを誘います。
困るけれども、その何倍も可愛いのです。

ゴーリー作品でも「残酷なのはちょっと……」という方はこちらをどうぞ。
虜になること、請け合いです。





| エドワード・ゴーリー | 13:38 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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『ギャシュリークラムのちびっ子たち ―または遠出のあとで』

A is for AMY who fell down the stairs
 Aはエイミー かいだんおちた

B is for BASIL assaulted by bears
 Bはベイジル くまにやられた



子供たちが、“A”のエイミーを筆頭に、“Z”のジラーまでリズミカルに死んでいく。
しかも、ジラーの死に方ときたら……。

のぞみもうせて、ぐさり、ごくり。
どんどん、えじきになっていく。

ほぼ無表情な子供たち。
緻密に描きこまれた線の重なり。
柴田元幸氏の名訳。

何故かクセになる愉しさ。
何故か笑える可笑しさ。

時々、無性に会いたくなって、本棚からそっと取り出して、私はこの子達に会いに行くのです。


さて、10月31日に、ちびっ子たちが訪ねて来たら、是非お菓子をあげて歓待しましょう。
なかにはギャシュリークラムから来ている子も、いるかもしれないから……。

Happy Halloween!!





| エドワード・ゴーリー | 07:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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『蒼い時』

旅行に興味がないエドワード・ゴーリーが、スコットランドへ行った。
その旅に関して書かれて(描かれて)いるとの事。

ゴーリーといえば、ヒゲモジャで、長い毛皮のコートを着て、足元はスニーカー。
この姿しか思い浮かばないから道中では一体どんな格好をしていたのだろう。

そんな想像もつかないゴーリーの頭の中は、やはり想像するのが難しい。

まず、この犬の様な……?……かわいいキャラクター。
2匹は楽しく……?……おしゃべりしてる。

楽しかったのかしら。
本にしちゃうんだもんね、楽しい旅だったんだきっと。
良かった、良かった。

そんな風にひとつずつ想像してみる。

今まで読んだゴーリー作品の中で、一番よく解らない。
だから、やっぱりちょっとずつ想像してみる。


折しも参院選の頃に読んだから、ついついこのセリフに目が留まってしまった。
ガッカリ選挙だったから特に。

違うふうになると思ってたのに。
<まったく同じに/とにかく違うふうに>なったじゃないか。


I thought it was going to be different;
It turned out to be(,) just the same.



そうそう、選挙といえば、イギリスってEUから離脱するんだよね。
まさにゴーリーが出掛けたスコットランドが独立の動きを見せているけれど、どんな事になるのかな。
それから、2016年のウィンブルドン大会では、スコットランド人のマレーが優勝。
表彰式でキャメロン元首相がブーイングを浴びてたのには驚いた。

それって沈没よりひどい運命じゃないかな。
でもこれ以外のなんてないぜ。


It seems to me a fate worse than sinking.
But there isn't any other kind.




そうやって世界を、身の回りを、勿論自分自身を見て思うのはこのセリフ。

僕は絶対 他人の前で君を侮辱しない。
君の言うことはすべてつながってるってこと 僕はつい忘れてしまう。


I never insult you front of others.
I keep forgetting that everything you say is connected.



世界中が、繋がっている。

途切れた文字の

 あいしあお 。
   obe one anoth  .



名訳で知られる柴田元幸氏も、この本の訳出には苦戦がみられる。
でも、精一杯の愛おしさに満ちている。

最初は全く解らなかった。
理屈を並べたりしてみた。
でも、読むにつれ、だんだん「かわいい」と思うようになった。

純粋に 「かわいい」 と。

この不思議な感覚は、ぬいぐるみを可愛がっていくのに似ている。
何とも思っていなかった犬(?)のぬいぐるみを、今はギュッと抱きしめたい。
そんな気持ち。





| エドワード・ゴーリー | 00:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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